【墨汁速報】仮想通貨レンダー "セルシウス(Celsius)"が破産申請の手続き中とリーク その後正式に破産申請を発表【追記】

仮想通貨レンディング企業のセルシウスネットワーク(Celsius Network)が破産申請の手続きを行っているとのリークがあった。セルシウス(Celsius)は6月13日にビットコインやイーサリアムのレンディングを利用しているユーザーの資産引出し、売買、送金のすべての機能を停止しており、1ヶ月間資産が凍結されていた。

*14日9:23AM追記:セルシウスから公式に破産申請をしたと発表

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仮想通貨レンディング企業セルシウス(Celsius)破産か?

リークによるとセルシウスネットワーク(Celsius Network)の弁護士は現地時間7月13日、各州の規制当局に破産申請となるチャプター11の申請手続きを行っていると伝えたとCNBCが報じた。

リークした匿名人物によるとセルシウスは破産申請の事務処理はまもなくだという。セルシウスは2022年5月時点で80億ドル(約1兆1000億円)の仮想通貨ローンをユーザーに貸し付けており、120億ドルの運用資産を誇っていた。

さらにセルシウスはこれらの運用をイーサリアム上の分散金融DeFiでハイリスクに行っており、資産を預け入れていたユーザーは最大で17%の金利を得ることができると謳っていたことで有名だ。

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セルシウスはDeFi運用借入の600億円超えを返済

セルシウスは高い金利を提供する代わりに顧客の資産をイーサリアム上のDeFiで運用しており、ドルにペッグするステーブルコインのダイ(DAI)を発行できるメーカーダオ(Maker DAO)、イーサリアムなどを担保にUSDCやUSDTなどのステーブルコインを借入できるアーベ(Aave)やコンパウンド(Compound)で巨額のビットコインとイーサリアムを担保に借入をしていた。

メーカーダオでは約2万BTC、現在の日本円にして556億円を担保にしていたものの約1週間前に借り入れていたDAIを全額返済して担保のビットコインをすべて引出している。また約8時間前10時間前にコンパウンドで借り入れていた約5000万ドル(約68.5億円)相当のダイを返済しており、約1万WBTC(イーサリアム上のビットコイン)を引出ししている。

残るはアーベのシンセティクス(Synthetix)の約1.5億円の担保のみとなっている。これらの借入の返済は運用の停止を意味し、今回の破産申請のリークに関連しているとみられるだろう。

相次ぐ仮想通貨企業の連鎖倒産

仮想通貨レンディング企業の破産が連続している背景には、仮想通貨最大手ヘッジファンドであるスリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital:3AC)の破産と債務超過によるデフォルト(不履行)での巨額の損失が影響している。

3ACは6月29日に債務整理を裁判所により命じられ、7月4日に米国で破産を申請。このスリーアローズキャピタルの影響で連鎖倒産状態となり、同ヘッジファンドの投資先かつ借入先であるフィンブロックスは入出金を停止。さらに3ACに800億円以上貸付をしていたボイジャーデジタルも同様に入出金を停止しいてたものの6日に破産している。

他にも数社の仮想通貨レンディング企業が引出し停止をしており、どこも連鎖倒産状態という危機状態となっているのだ。同業種の最大手ブロックファイ(BlockFi)も3AC関連で108億円の損失を引き起こしており、セルシウスが破産した場合にはより大きな影響がでるだろう。

セルシウスの巨額損失は救済しきれず

セルシウスはこのリーク報道の約1時間半後に正式に破産申請をしたことを発表し、これに伴い債権者は10万人を超えるという。仮想通貨取引所のFTXはセルシウスの救済案として買収を提案したが、リークによると2700億円以上の損失があることが分かり、手を引いたとされている。

さらにゴールドマン・サックスが買収をするなどのリークが出ていたが、結果として破産となったという。

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