【墨汁速報】イーサリアムマイニング終了のThe Mergeを延期しない方向で合意 EIP-4488の導入を開発者が議論

イーサリアム(Ethereum)は12月10日夜にコアデベロッパー会議を開催し、現在の非常に高いガス代(手数料)の対処となるEIP-4488について話し合った。このコアデベロッパー会議では「Rollup」を採用した「Arbitrum」や「Optimism」を中心としたL2でのスケーリングでイーサリアムの手数料を下げることを優先するのか、マイニングを終了してイーサリアム2.0のPoSへ完全移行する「The Merge」とどちらを優先するかについて議論を行った。

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EIP-4488とイーサリアム手数料改善

EIP-4488とはイーサリアム発明者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏によって提案された「Arbitrum」などが採用しているL2主力技術である「Rollup」がイーサリアムのL1で使用するガスコストを下げ、さらにそれらの使用を1ブロックで制限を設けるという提案。

簡単に説明すると、「L1側でのRollupが使用する手数料を下げることで、L2の手数料を下げて移行を促す」ということだ。

L2とは現在DeFi(分散型金融)やNFTが動いているイーサリアム上に展開する新たなネットワークであり、イーサリアムのセキュリティを使用しつつ手数料を大幅に下げることができる新たなレイヤーを指す。
一方でイーサリアムの手数料の高さにコストが依存してしまうため、EIP-4488ではL1の手数料を5分の1にすることで、ArbitrumやOptimismでの手数料を今より更に下げることが可能ということだ。

L2にユーザーやプロジェクトが移動することでL1の使用率が下がり、現在の非常に高い手数料を下げることがEIP-4488の導入目的となっている。

The Mergeを優先しマイニング終了を延期しない方向へ

今回のコアデベロッパー会議の争点では、「イーサリアムマイニングを終了するThe Mergeを優先するか、手数料を下げるためにEIP-4488を先に導入するか」となっている。

EIP-4488は導入のジレンマが存在し、コストを下げてリミットを追加したとしてもRollupが多く使用されるようになるとコントラクトや残高などの状態を記録するステートの容量が年間で3TB~という非常に早い速度で増えていくという問題がある。そのためEIP-4488でL2への移行を加速させる場合、EIP-4444などのこの容量に対処する実装を考慮しなければ長期的な運用は難しくなるのだ。

L2の主要プロジェクトである「Arbitrum」や「Optimism」は2021年に正式にローンチしたものの、より堅牢なL2としてはまだ多くの問題を抱えていると言えるだろう。これらのことからイーサリアムのメッジャークライアントであるGethチームはマイニングを終了するETH1とETH2の統合「The Merge」を優先すべきだとし、コアデベロッパー達は同意。ポストMergeとしてEIP-4488の導入を最優先として、さらなる話し合いを行っていくとしている。

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マイニング終了はいつになるのか?

前回のコアデベロッパー会議では「The Merge」の実装とEIP-4488のリサーチや開発を同時進行していく予定だったが、その場合「The Merge」のハードフォークが~1ヶ月の延期となる可能性が考えられる。

一方でGethチームの「EIP-4488の優先実装は現状を鑑みて大きな影響を及ぼさないため、既に計画しているThe Mergeのハードフォークを優先すべきである」という意見は正論であり、今回のコアデベロッパー達の合意と至った。

つまりArrow Glacier(アロウグレイシャ)の実装が行われたため、次の大型アップデートはイーサリアムの最優先事項となっているEIP-3675「The Merge」を行うということになる。

EIP-4488を”ポストMerge”としたことから、現在のKintsugi(金継ぎ)Devnetでの運用が安定してきていることから問題なければ2022年初旬~でのマイニング終了となるだろう。

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