2022年の仮想通貨長期下落トレンドの連鎖倒産で破産し、再生を目的としたチャプターイレブン中の仮想通貨レンディング企業「セルシウス(Celsius)」が運用していたイーサリアム(ETH)の引出しを開始した。これらの運用されていたETHは流動性ステーキングプロジェクトのライド(Lido)ファイナンスを介して行われており、約24万ETHが既にセルシウスによって引出しリクエストされている。
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セルシウスがstETHの引出し開始
仮想通貨レンディングの最大手として知られており、ブロックファイ(BlockFi)やボイジャー・デジタル(Voyager Digital)と同様に2022年に破産したセルシウスは、顧客から借り入れたイーサリアム(ETH)を流動性ステーキングプロジェクトのライドファイナンス(Lido Finance)を介してステーキングを行っていた。
イーサリアム上のオンチェーン分析によるとセルシウスは日本時間17日早朝にstETHの送金を開始、1000stETH単位でライドファイアンスが新たにデプロイしてETHの引出しコントラクトへ送金したことが判明した。この送金額は合計で約24万ETHとなっており現在の時価で約600億円相当に及ぶ巨額の引出しとなっている。
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— 墨汁うまい(Bokujyuumai) (@bokujyuumai) May 16, 2023
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セルシウスの保有する巨額のETHの行方
約24万ETHの引出しを行ったセルシウスだが、約19万ETH(475億円)がまだ残されており、合計で1000億円を超える巨額のETHが将来的にセルシウスによって引出しされることになるだろう。セルシウスはFTXと同様に2022年に顧客ユーザーからの引出し申請をカバーできる流動性を維持できず、1668億円の損失を有していたことが判明している。
このライドファイアンスでのイーサリアムステーキングを表すトークンのstETHは当時引出しをすることができなかったため、対ドル価格での下落が進行していた。一方でライドファイアンスがイーサリアムのシャペラ(Shapella)アップデートによりETH引出し機能が正式に提供されたことで引出し機能を実装したばかりだった。
セルシウスの破産当時のETH価格と比較して2倍近い価格まで回復していることから、引出しされるETHはセルシウスの債権者に対する弁済として売却または返還される可能性が考えられるだろう。同社は債権者に対して2022年7月13日時点の仮想通貨価格で約47億ドル(約6400億円)の負債を負っている
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