イーサリアムクライアントのゲス(Geth)はイーサリアムの6月29日に予定する大型アップデート「グレイグレイシャー(Gray Glacier)」を実装したCamaron (v1.10.19)を公開。このアップデートではマイニングを廃止してプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行するマージ(The Merge)を見据えたディフィカルティボムの調整となる。
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ディフィカルティボムの最終調整
イーサリアムのメジャークライアントであるゲス(Geth)は、大型アップデート「グレイグレイシャー(Gray Glacier)」を実装したCamaron (v1.10.19)を15日に公開した。
このグレイグレイシャーではマイニング難易度が指数関数的に上昇する「ディフィカルティボム」というイーサリアムの実装を2~3ヶ月後押しし、マイニングを廃止する「マージ」を実装するタイミングを調整することが目的となっている。
グレイグレイシャーは #15050000ブロックで実装を行うため、6月29日~30日にかけてイーサリアムメインネットに実装される予定だ。
The Mergeへの影響は?
ディフィカルティボムとは本来、意図的にマイニングの難易度を指数関数的に上昇させていき、新規アップデートしたチェーンに移動しないマイナーをなくすことが目的として実装されたイーサリアムのプロトコルだ。
「マージ」はイーサリアムにおいてエコシステム全体をすべて移動させる最も重要なアップデートであるため、メインネットにおける実装が確定した段階で「意図的に発動を待つ」ということをすべきとなっている。
例えばETHの発行数を3/5に減らす実装を行った2017年10月の「ビザンチウム(Byzantium)」では、収益減少が即座に影響するマイナーの反対が多かったことからブロックタイムが2倍以上となる「意図的な実装待機」をした。つまりマージでもメインネット実装が決まった場合、現実的にはディフィカルティボムの影響が十分出る9月や10月となる「意図的な遅延」となる可能性は高いだろう。
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ETH価格は1000ドル割れ目前
グレイグレイシャーはマージを控えた調整的マイナーな大型アップデートであり、イーサリアム価格への影響を及ぼすことはない。その一方でイーサリアム価格はドル建てで1100ドル前後を推移しており、2018年の仮想通貨バブルの最高値であった1400ドルを300ドルも下回って推移している。
マージは一台イベントとはいえ、グレイグレイシャーでは一時的にイーサリアム価格の下落は止められないだろう。
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